令和6年の寮祭はOB企画もあって一味違いました。
もちろん、大音楽祭や名物芋煮鍋と食欲と芸術の秋いっぱい
今年入寮した寮生はもちろん、多くの寮生やOB、鹿児島県寮などの他寮の学生、さらに自治会の役員など多数が参加し、大音楽会や米沢牛の芋煮会を楽しみました。
第1部のオープニングは、地元の滝七太鼓での触れ太鼓が勇壮な音を響かせて開幕。最初に鈴木礼子代表理事から「今日は衆議院の総選挙があり、世界を見ると米国の大統領選挙、ウクライナや中東での戦闘などがありますが、天候に恵まれ多く寮生、OB、OGさらに他の学生寮生や近隣の方が参加され、寮祭が開催できました」と挨拶がありました。
第1部はオープニングとトークセッション。今年は初の企画としてOB、OGの寮生とのトークセッションがありました。
荘内館と山形県育英会が合併してできたこの寮の初期に入寮されたOBが、現役寮生に過去の寮がどんな感じだったかを知ってもらいたいと思い、OB、OGにアンケートを取り、それをベースにOBと寮生とが話を交わし、新しい寮生活を楽しむための役立てるための企画です。
第2部は恒例になった第音楽会で、寮生の演奏や音大生のバンドなどのライブ演奏。プロ顔負けの素晴らしい音楽が会場に流れました。第3部は米沢牛の芋煮会。
山形県ならではの「つるり芋」「米沢牛」「玉こんにゃく」「庄内柿」「つや姫」おにぎりなどを食べながら寮生同士や先輩との語り合いを楽しみました。
OBが現役寮生に貴重なアドバイスをしました。
~アンケートとトークショーが再認識させた寮生活~
2013年に卒寮した中山貴之さんらがOB、OG約30名から回答をもらい、その中からヒントを得て、現在の寮生をもっと盛り上げたいと考えました。
トークショーをしてもらう3人。OBの阿部さんは新庄出身で早稲田大学卒、在学中に中国留学をし、現在商社に勤務。もう一人のOB佐藤さんは鶴岡出身で明治大学卒のエンジニア。現役寮生からは鶴岡南から東京理科大に今年入学した伊藤さんです。
寮生活については27人が「とても楽しかった」。3人が「楽しかった」、1人が「まあまあだった」。そして、寮生活での楽しかったことは、夜、事務室で遊んだこと、徹夜したことなどがあげられました。
イベントでは、中山さんが「私が入寮した時は何もない時からスタートした。寮の中で何ができることを考え、カンカンカンという駒込情報誌や山手線一周などさまざまなことをやり、和田寮監からは『一番燃えていた』と評され、イベントで言うと山手線一周で、女装大会などもあった」。
OBの楽しかったという内容は
*事務室に集まって遊ぶことで、勉強する時も事務室が多かった。夜がふけるとラーメンを食べに行ったり、そのまま大学に行ったりしてた。山手線一周では朝出発し、夜に帰るとすぐに風呂に入るのだが、筋肉痛になったりしながらもパワフルな生活をしていた。
*私も時々事務室で麻雀したり遊んだりしたが怒られたりしなかった。共用スペースとか事務室や会議室などあり、そこらを貴重なスペースとしてみんなが遊んだり、自由に使った方が楽しい思い出になる。
*板橋寮で節分にみんなで机を繋げて身長よりも長い恵方巻きを作って食べた。
*山手線一周では、帰寮して汗を流すために風呂に入っているうちに、脱衣籠の私服がコスプレ、例えばウエディングドレスに変えられ、それを着て食堂に行かなければならなかった
*OBが買ってくれた電飾を寮の周りに飾り、寮に帰るとクラッカーが響き、ただいま!と言ってテープを切る。寮でなければできないこと、みんなでいろんな遊びをしながら良い友達を見つけて欲しい。
寮生は昔から「恋愛」についてはチャレンジしていたが・・・
そして、寮生活で生涯の親友を作れた人が多い!
アンケートでは最も多いのが「付き合った相手がいたが別れた」が23.3%。片思いで終わったが好きな相手がいた」が20.1%、「付き合った相手があり、現在でも続いている」が6.7%。
*今日もこの会場に来ているが(いいなぁ!との声)、寮にいると女性と突然喋る機会はないが私が寮の委員長をしていた時、彼女が1年で委員会の会計をやってもらったのがきっかけ。それから付き合うことになった。
*失敗談もある。駒込、板橋の寮会で新入寮生むけの動画を作ろうとなり、2つの寮から女性を選んでもらった。そこで私は好きになり、友人からバレー「白鳥の湖」の券を2枚譲ってもらい一緒に見に行ったが、終演になると彼女は「私、帰ります」と言われてしまった。板橋寮ではそういう時に「失恋鍋」を作って慰めてくれた。
*片思いに終わろうと、チャンスを生かして今でも付き合っている人がいるようになってほしい。
*私は学生の本分は勉強だ!と思っていたが、今の話を聞いて勇気をもらった。やはり、自由に恋愛してもらっていいと思う。
アンケートの第4問「寮でやっておくべきだったこと」
最も多いのは「もっと勉強をすること」46.7%。次いで「アルバイト・インターンなど」40%が多い。3番目が「寮のイベントにもっと参加する」22.3%だ。4番目は「寮の中で友だちをつくること」13.3%、「恋愛」10%などがあった。
<寮生から、寮にいて友達を作ることにどんな意義があるか?との質問>
*寮にいて一生の友ができたことは大きかった。社会人になると利害関係があって本当の友人が作れない。寮では、同じ釜の飯を食べた友達であり、卒業して10年以上経つが今でもかけがいのない友だ。寮生も部屋に籠らず先輩方も受け入れてゆくようなコミュニティーになればいいな。
*寮では楽しく過ごしたし、大学院に行って勉強もした。どちらかをしなくてではなく、イベント、勉強、遊び・・・自分で時間を作って全部やる。失敗してもやった方が良い。
同じ釜の飯の仲だから、寮では一生の親友を作ろう!
最後のアンケート「寮でできた友達は?」
「一生の親友」40.0%、今でも連絡を取る仲の良い友人」53.3%、「卒業後連絡とっていない」と「当時は仲が良かったが今はほとんど連絡ない」がそれぞれ3.3%。
*アンケートですごいと思うのは40%が一生の親友、という数字だ。自分でも卒業してからも旅行に行ったり、寮で8年下の後輩を誘ったりしている。寮生活で思い切り楽しんで行くと仲の良い友達ができる。
*私は昨夜、寮時代の友人と会った。一人は名古屋から来て。もう一人は東京から来たのだがワーキングホリデーを使いオーストラリアに行くという。就職活動のころから関係が深まり、社会人になってからも定期的に会ったりしているかけがいのない友達。山形出身という共通点、同じ釜の飯を食べた仲・・・みんなも今は分からないかもしれないがすごい財産だ、と思うようになるはず。
トークセッションの最後に企画をしたOBから「伝えたいこと」が流れました。
・昔の寮生は、体当たりでいろんな企画をやって、めちゃくちゃ楽しんで一生の友達を作ってきました!
・皆さんにもぜひ後悔のないように寮生活を楽しんで欲しいと思っています。
・そして、よければOBとも仲良くしてください。
あっという間に時間が過ぎ、寮生はOB、OGのみんなが寮生活やイベントなどをどのように楽しみ、良い思い出を作っていったかを聞き、寮での恋愛の形に納得したり、友人の大事さなどをそれなりに収穫していました。
第2部は大音楽会で、午後1時から寮生を中心にしたクラシックや自分で作曲したものの演奏などバイオリン、ピアノ、ギター、ボーカルで披露しました。やはり、寮の仲間が素晴らしい演奏をするたびに拍手喝采、楽しい時間でした。
続いて、寮祭のお待ちかねの米沢牛や山形県産の野菜、果物を用意したやまがた育英会名物の「芋煮会」が始まりました。寮生はOB、OGそして来場された他寮の学生、来賓などと話をしながら楽しい食欲の秋を味わいました。今回も、BGMとして東京音大のメンバーによるジャズのスタンダートナンバーや名曲を聞きながらで芸術の秋のひとときでもありました。(文と写真 理事 菅野昭彦)